22.世界平和への道を開く年に

2012年1月12日

明けましておめでとうございます。

 今年は、世界とわれわれにとって例年にも増して重要な年になることを注意しなければならない。なぜなら、今年、世界で行われる政治的な出来事、世界情勢を動かす国々の首脳を選ぶ選挙が行われる年だからである。

 主要な政治的スケジュールを上げてみると、次のように一年を通して重要なものが挙げられる。

 1月に「台湾総統選挙」「フィンランド大統領選挙」、3月に「ロシア大統領選挙」、5月「フランス大統領選挙」、6月「アイスランド大統領選挙」、7月「メキシコ大統領選挙」「インド大統領選挙」、9月、日本の「自民党総裁選挙」「民主党代表選挙」、10月「第18回中国共産党大会」、11月「米大統領選挙」、12月「スイス大統領選出」「韓国大統領選挙」などがある。これに加えて今年は、7月から「ロンドンオリンピック」が開催されるほか、数多くの重要な会議(G20首脳会議、EU首脳会議、APEC)なども開催される予定だ。

 また、不安要素としては、昨年末に逝去した北朝鮮の金正日総書記後の金正恩後継体制も未知数であり、その内部の体制の動揺によっては東アジアの平和をゆるがせる事態にもなりかねないだろう。その上、昨年、日本を襲った未曾有の3・11「東日本大震災」のような自然の災害が襲う事態も可能性も否定できない。自然環境破壊による地球の砂漠化、人口の70億人化による資源の枯渇、常態になっているアフリカなどの飢餓問題なども忘れてはならないだろう。

 このように、今年はまさに主要国家の選挙や世界的な会議、イベント、その他の緊急問題によって世界の首脳が変わり、それはそのまま国際情勢の変動にも結びつくる可能性がある年である。それがどのような方向へ世界を導くようになるのかは予測はなかなか難しい。が、ただ言えることは、これ以上、世界各国が地球の未来に対して対処を放置するような傍観をしていれば、近い将来、世界が収拾することができない混乱状態に陥ってしまうことは間違いない。今、われわれが直面しているのは、それほど数多くの事態が危機的で困難な時代だからである。

 その意味で、今年の世界の各国の首脳選挙によって、世界平和をリードするような強力なリーダーシップを発揮する人物が登場することを願いたい。特に、世界情勢を左右するような指導者の選挙といえば、ロシアや中国、インド、フランス、アメリカ、日本、韓国などの選挙になるだろう。アメリカと中国の場合は、そのまま世界の軍事的な面でも、経済的、政治的な面でも、今後の世界を左右することは間違いないし、東アジアに関していえば、韓国と日本の選挙に注目しなければならない。特に、金正日総書記以後の金正恩後継体制が唱える「先軍強盛」国との関係から、今年末に行われる韓国の大統領選挙は、今後の日本の将来とも関わりが深いものがあり、注意深く見守っていく必要がある。

 いずれにしても、世界を良くするのも悪くするのも、国家を構成している人間であり、そして、その頂点に立つ指導者・首脳である。そのリーダーたちが、今後持たなければならないのは、自国中心主義ではなく、国益を超えた世界人類が家族であり、兄弟姉妹であるという観点であり哲学であり思想であり宗教になることは間違いない。また、マジョリティーがマイノリティーに対して、手を差し伸べ共に生きていく、共に繁栄していくという多民族共生共栄共義の精神である。日本であれば、それは在日外国人とともに多文化共生を果たしていくという方向性である。

 そのような希望ある年にしていくために、あらゆる多難が予想される今年を出発していきたい。

平和大使在日同胞フォーラム代表 鄭時東(チョンシドン)


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